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会誌第1号に寄せて(4,1,6)
開局薬学研究会誌Vol.1,No1,第1号巻頭言;1983
処方せんの発行を習慣付けようとする薬剤師の長い間の努力の結果、調剤の「仕事の立ち上った」薬局が増えている。大変に喜ばしいことであるが、実は新たな問題がまたそこで生まれたと考えている。
開局薬剤師の行う調剤は、たしかに大部分はル-チンであるが、総てがそうではない。毎日が新たな経験であり、気を抜くわけにはいかないものである。調剤の仕事が増えて「これで安心」と思ったのも束の間のこと、患者や医師の信頼を繋ぎ止められずに逆戻り、という類の話を聞くのは珍しいことではない。安易な取組みでは永続きしないのは、むしろ当然なのである。
ところで、仕事上の困った事、知りたい事について、案外と誰も教えてくれないし、また尋ねる先も見当らないものなのである。同じ調剤でも病院薬局とはかなり違い、必ずしも手本にできない。薬科大学も実務に関心が高いとはいえない。仲間の開局薬剤師や地域薬剤師会は一般に処方せんの獲得に努力の焦点を合わせているため、卒業生の「贅沢な悩み」として親身には扱って貰えない、ということなのである。
こうした「悩み」を持つ何人かの開局薬剤師から、自分で問題を掘り下げ、解決の糸口を掴もうと研究会を創りたい、とも希望が寄せられた。喜んで協力しましょうと約束と共に、一つの提案をした。
薬学は応用科学(Applied Science)の一分野であり、技術(Technology)と実務わざ、Artsを持っており、開局薬剤師は、そのわざと多少の技術によって仕事をしている。応用科学の新しいアイディアは決して研究室の中にあるのではなく、実務こそが新しいアイディアの無限の宝庫といえよう。こうした見方からすれば、開局薬剤師の直面する「悩み」はTechnologyとScienceに正しく反映(Positive Feed-back)されて、その材料となることが望ましかろう。最後に開局薬剤師は新しいわざとして消化された結果を受取ることになるに違いない。こうしたやり方のために、先ず記録を作りましょう、というのがその提案の内容である。
素直に、この提案を受けて貰えて、この会誌が生れたと思っている。従って、研究者の報告ではないから、未熟な点が多いだろうことは覚悟の上である。しかし、調剤に真剣に取組んでいる開局薬剤師の関心の焦点、悩み、叫び、そして将来への希望が、まさにこの会誌の本当のなかみなのだと考えている。
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最後に、調剤に真剣に取組んでいる開局薬剤師が沢山入会されることと、会員諸氏の今後共変らぬ研鑚を期待する |
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